DV夫に居場所を知られずに離婚調停する方法と 5つのQ&A
この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)
- Q 夫から暴力をふるわれ、警察に通報しましたが、一緒に住むことはできないので、早急に県外へ転居します。夫に私の居場所を知られずに離婚調停をしたいのですが、どこの裁判所に申し立てればいいですか。
- A 夫の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
- Q 申立書に、私の居所を記載しなければいけませんか。
- A 申立書に「住所」を記載することは必要ですが、あなたの場合は、夫と同居していたときの住所など、夫に知られても差し支えのない住所を記載しましょう。
- Q 申立書のほかに、連絡先の届け出が必要とのことですが、現在の居所を記載すると、結局、夫に知られてしまうのではないかと不安です。
- A 連絡先の届出は、裁判所との連絡を円滑に行うために必要です。この届出書と一緒に「非開示申出書」の提出をすれば、夫が裁判所にあなたの提出した連絡先等の開示を求めても、原則として開示が許可されることはありません。なお、あなたが代理人として弁護士を立てた場合には、弁護士事務所を連絡先として届け出ることができます。
非開示申出書はあなたが調停において提出する各書類に添付することができますので、書類の内容からあなたの居所が特定できるようなものには一緒に提出して、できるだけ夫に開示されないようにしましょう。
- Q 県外に転居すると、調停のために遠方の裁判所へ出向かなければならず、経済的に厳しいです。必ず裁判所へ行かなければいけませんか。
- A 調停では、原則として裁判所へ行く必要があります。しかし、遠方に住んでいて、裁判所へ出向くことが難しく、裁判所が相当と認めた場合には、電話会議システムを利用することができます。この利用が認められれば、電話会議システムが設置されている近くの裁判所に出向いて調停の手続を受行えます。ただし、調停成立時などは申し立てた裁判所へ行かなければいけません。
- Q 裁判所内では、夫と顔を合わせないように配慮してもらえますか。
- A 必要に応じて、呼出し時間をずらしたり、待合室の階をずらすなど、鉢合わせをしないように対応してもらえますので、裁判所に相談して下さい。
(平成30年6月4日付聖教新聞 ここが知りたい!法律Q&A第71回 執筆者 弁護士 福島宏美 より)
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旭合同法律事務所(名古屋)