愛知方式と特別養子縁組
この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)
愛知方式(愛知モデル)と特別養子縁組
愛知県が取り組んでいる「愛知方式」(愛知モデル)という新生児を対象とした(特別)養子縁組というのをご存知ですか?
乳児院にいる子どもたちは全国で約3000人(乳児院とは概ね2歳未満までの施設ですが、小学就学前まで入所延長可能)。
その半数が親元に戻る見込みはなく、養子縁組がすすまないまま、2歳になると児童養護施設に預けられ、以後長期間過ごすことも珍しくありません。
この状態が子どもにとって望ましい環境とは到底言えません。
愛知県が実施している「愛知方式」と呼ばれる(特別)養子縁組とは、
- 望まない妊娠をして、自分は育てられない女性がいるという連絡が児童相談所などに入る。妊娠中からの相談を受ける。
- すでに里親登録をし、特別養子縁組を希望している夫婦に連絡
- 新生児が出生した時点ですでに里親が決まっている。
- 新生児は乳児院を経ずに直接里親家庭へ。
- 里親での養育が6か月経過すれば、家裁へ特別養子縁組申立。
これは「(特別養子縁組前提を前提とした)新生児里親委託」とも呼ばれています。これだと乳児院に入所しなくても済むのです。
この制度を利用する里親には、赤ちゃんの性別は選べないこと、重大な障害があってもきちんと育てる覚悟が求められます。
この愛知方式では、望まない妊娠をした女性が出生後の養育問題の不安を抱えることなく出産を迎えることができ(月齢的にもう中絶ができないことが多い)、里親にとっても自然な親子関係を形成することができ、新生児にとっても出生直後から愛着の対象(里親)を持つことができるという特徴があるとされています。
この記事を書いたのは:
旭合同法律事務所(名古屋)