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菊田医師事件を知ってますか

実親との関係を断ち切る養子縁組を「特別養子縁組」といいます。

まだ、比較的新しい制度で(昭和62年制定)、この制度は「菊田医師事件」というのが契機となって新設されたと言われています。

菊田医師は、産婦人科医として中絶手術を行う中で、あるとき「7か月の胎児の中絶」(当時の法律では、妊娠8か月未満までの中絶が可能だった)をしたことがきっかけで、葛藤を持ち始めた。

7か月だと胎児の身体がほぼ完成しており、この中絶行為は人殺しではないかと葛藤したわけです。

その後、複雑な事情により中絶を求める女性に対して出産を促し、他方で、地元紙に「里親募集」の広告を掲載し、生まれた赤ちゃんを子宝に恵まれない夫婦に無報酬で斡旋する活動を展開した。

そして、その際、菊田医師は、「里親の実子」であるとした「偽の出生証明書」を作成したのです。

それは、望まれぬ子を中絶から救うには、本来、産むわけにはいかない実母の戸籍に出生記録が残らないようにし、また、実親との関係を完全に断ちきり、かつ、養子であるとの記載が戸籍に残らないようにするためであったとされる。

その人数は約100人に上った。

昭和48年に刑事告発され、出生証明書の偽造の罪で罰金20万円の略式命令、厚生省から6か月の医業停止処分、所属関係学会除名、優生保護法指定医剥奪、国会招致などを受ける。

しかし、この事件を契機に、人工妊娠中絶の可能期間が短縮され、昭和62年には養子を戸籍上実子と同様に記載するよう配慮した特別養子縁組制度が新設されました。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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