日照権

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

Q 自宅の南側に3階建てのアパートが建つ計画があるらしいのだが、何か建築する人に言えることはありますか。
A 建築基準法を守って建てるとは思いますが、受任限度を超えるような日陰が生じる場合、設計変更を求めたり、一部建築を許さないような請求をできる場合があります。
Q 受忍限度って何?
A 自分の家に何を建てても原則自由なんだけど、必要以上に周囲に迷惑をかけないような建物を建てるべきだと考えられていて、周囲が我慢できる限度のような意味で受忍限度という言葉が使われているんだ。さきほど建築基準法の話をしましたが、建物を建てる場合、周囲の家に一定以上の日陰を落とさないよう、いわゆる日影規制という規制があります。裁判なんかでも、建築基準法上の規制基準を受忍限度として扱う例が多いようです。

これは、商業地域とか住居地域とか、いわゆる用途地域によって規制の程度が異なるので、まずは自宅の用途地域が何かを調べる必要がありますね。

Q うちは準工業地域だそうだ。今まで知らなかった。とすると、建築基準法の日影規制を守っていれば、文句は言えないということになるの?
A 原則そうなってしまいますが、敷地境界線から5メートル以内の場所に居間の窓があるとか、日影規制が規制していないところにその規制をあてはめると、ちょっと日陰の程度が厳しいというような場合や、規制のない商業地域や市街化調整区域などで問題になることが多いです。

まず、建築主に日影図などの提供を求めてみて下さい。規制の内容もややこしいし、建物は建ってしまうと修正がしにくくなるので、できるだけ早く相談をすることをお勧めます。


この記事を書いたのは:
旭合同法律事務所(名古屋)