世界女性デーに寄せて
この記事を書いたのは:荒木清寛

―アイスランドの「女性の休日」から考えること―
3月8日は「国際女性デー」です。
世界各地で女性の権利やジェンダー平等について考える日とされています。
これにちなみ、私は最近、ドキュメンタリー映画「女性の休日」を鑑賞しました。
この映画で紹介されているのが、1975年10月24日にアイスランドで行われた「女性の休日」です。
この日、アイスランドでは女性の約9割が仕事だけでなく家事や育児も行わないという行動に参加しました。

するとどうなったでしょうか。
学校や職場、家庭など社会のさまざまな場面で混乱が起き、「女性がいなければ社会は成り立たない」という現実が広く認識されることになりました。映画の中では、その日子どもの世話をすることになった父親が、ホットドッグをうまく焼くことができず焦がしてしまうというエピソードも紹介されており、思わず苦笑してしまいました。
この出来事は国民の意識を大きく変える契機となりました。
世界で最もジェンダー平等が進む国
グローバル・ジェンダー・ギャップ指数によると、アイスランドは16年連続で世界で最もジェンダー平等が進んだ国とされています。
その背景には、制度面での取り組みがあります。
例えば育児休暇制度です。アイスランドでは育児休暇は合計12か月で、父母それぞれに6か月ずつ付与されます。さらにそのうち6週間は父母間で分配(譲渡)することが可能とされています。この制度のもとで、父親の約90%が育児休暇を取得しているといわれています。
こうした制度は、育児を社会全体で支えるという考え方を象徴しているように思います。
研究によれば、ジェンダー平等が進んだ社会は、幸福度や健康状態が高く、社会の信頼関係も強く、経済的にも安定する傾向があるといわれています。
一方、日本の現状はどうでしょうか。
世界経済フォーラムが公表している2025年のジェンダー・ギャップ指数では、日本は148か国中118位とされています。これは先進7か国(G7)の中でも最も低い水準であり、日本における男女平等の実現にはなお多くの課題が残されていることを示しています。
日弁連会長の渕上玲子さんは、インタビューの中で
「今の政治の状況でジェンダー平等や障害者差別の解消が十分に実現できるのか、不安に思うこともある」
と語っています。
その思いに共感するところがあります。
社会の変化は一朝一夕に実現するものではありません。
私たち法律実務家としても、一人ひとりの権利を守り、公平で包摂的な社会の実現に向けて、日々の実務の中からできることを積み重ねていきたいと考えています。
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