バス運転手が飲酒検知の誤作動で自殺
この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)
京王電鉄バスの運転手の自殺案件です。夫である運転手は、飲酒検査で「飲酒」との結果が出た後、会社から退職を強要されて、自殺に至ったとして、妻が国を相手に労働災害と認めるよう求めた裁判の判決がありました。
男性は、2008年6~7月の間に2回、アルコール検査で「飲酒」と検知されていました。過去にも検知歴があったため、周囲に「クビになる」と漏らし、2回目の検知の3日後に飛び降り自殺したとのことです。
会社側は、2回目の検知については誤作動だったと認め、「男性に説明した」と証言していました。
裁判所は、男性の遺書の内容などから検知器が誤作動していたのにその事実を「男性に説明しなかったと推認できる」と指摘しています。
そして、「退職せざるを得ないとの男性の誤解を強めさせたことは明らか。その意図があったのではないかとさえ疑われる」として、「自殺は業務が原因」と認定し、「退職せざるを得ないと誤解させ、強い心理的な負荷を与えた」として、自殺を労災と認めました。
裁判所が会社の対応を厳しく指摘した事案です。
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旭合同法律事務所(名古屋)