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違法に取集された証拠は使えない

証拠の収集手続が違法であれば、その証拠を裁判で使用することを許さない。

これが違法収集証拠排除法則で、排除法則とも呼ばれています。

例えば、職務質問に名を借りて対象者を警察署まで連れて行き、帰宅したいという要望を巧みに拒んで身柄を長時間拘束し、その過程で提出させた尿を鑑定に回して、その鑑定書を証拠に、対象者を覚せい剤使用の罪で起訴したとします。

裁判で尿採取の手続きが違法と判断されれば、尿の鑑定書は証拠から排除されます。

その結果、対象者が摂取したのが覚せい剤であるとの証拠がなく、無罪判決が宣告されます。

我が国の最高裁判所で、排除法則が初めて採用されたのは昭和53年9月7日第一小法廷判決でした。

それ以前の最高裁は、「押収物は押収手続が違法であったとしても物自体の性質、形状に変異をきたすはずがないから、証拠たる価値に変わりはない。」としてきまいた。

昭和53年の上記判決以後は、排除法則が刑事裁判実務で定着し、特に覚せい剤の事件で多くの裁判例が蓄積されてきました。

ごく最近、私が弁護を担当した覚せい剤の事件で、執行猶予期間中に逮捕された依頼者でしたが、尿の採取に違法収集の疑いが濃厚なことなどから、不起訴処分を得ることができた案件がありました。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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