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脂肪吸引と説明義務違反

美容整形手術として脂肪吸引手術を受けた人が、手術翌日に心肺停止状態となり、救命措置により蘇生するも身体障害者一級の後遺障害が残った案件で、執刀した医師に手術の注意義務違反及び術前の説明義務違反があったことを理由に債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求の訴訟をした民事事件があります。

裁判所は、脂肪吸引手術に起因する死亡ないし重度後遺障害事例があることは、患者の自己決定において重要な情報であり、医師は、患者に対し、説明すべき義務があるとして、説明義務違反を肯定しました。

ただし、
①本件手術に際して、医師が説明すべき内容は、「極めてまれに、死亡ないし重度後遺障害が生じる場合がある」という程度のものにとどまる。
②脂肪吸引手術を受けることを希望して来院した患者にとって、このような手術の危険性の認識が、本件手術を受けることについて重大な障害になると一…般的に認めることはできない。
③特に、患者は、本件手術以前に他院において二度にわたり脂肪吸引手術を受けたことがあり、これらの手術で不十分を感じる部位の修正を希望して本件医院を訪れている

ことを根拠に、患者が本件手術を受けなかった高度の蓋然性は認められないとして、重度後遺障害との因果関係を否定し、自己決定権侵害の範囲で損害を認めています。
(東京地裁平成24年9月20日判決)

 


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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