労働問題

育児休業を取得して不利益を受けたら

病院の看護師として勤務していた原告男性が、3か月間育児休暇を取得したところ、病院が男性の3か月間の不就労を理由として、次年度の職能給を昇給させず(本人給は昇給)、そのため昇格試験を受験する機会も与えなかったことが、いわゆる育児休業法10条に定める不利益取り扱いに該当し、公序良俗に反する違法行為であるとして、損害賠償を求めた判決が、平成25年9月に京都地裁でありました。

同判決は、不利益な取り扱いが公序良俗に反し、不法行為法上違法となるのは、育児休業法の育児休業取得の権利を抑制し、ひいては同法が労働者に前記権利を保障した趣旨を実質的に失わせる場合に限られると一般論を述べたうえで、本件では、職能給の昇給がなされなかったことにより原告の男性が受けた不利益(月2800円、年4万2000円、原告男性の収入の1.2%程度)が小さいこと等を理由に、育児休業法10条の趣旨からして望ましいものではないとしつつも、当該取り扱いは公序良俗に反する違法なものではないと判断しています。なお、昇格試験を受験させなかったことについては、違法であると判断しています。

この判決は、地裁レベルではありますが、男性による育児休暇取得にも影響を与えうるかもしれません。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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