消費者金融から元本確定請求という内容証明郵便が届きました
この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)
私は、友人が消費者金融業者からお金を借りるときに自己所有の不動産を担保に提供してあげたことがありました(物上保証)。
今回、その消費者金融から私に対して、元本確定請求という内容証明郵便が届きました。
これはどういうことでしょうか? とても心配です。
友人に聞いたら、返済も順調にやっていて全く遅れていないと言うことでした。
根抵当権の元本確定請求とは、ざっくりいうと、根抵当権を普通抵当権にすることをいいます。
元本確定請求をする一番多いケースは、不動産を競売にする前提として行うものです。
しかし、今回のケースでは、返済に遅滞がないことからそれは考えられません。
次に考えられるとしたら、消費者金融業者が債権を譲渡するケースがもっとも可能性が高いと言えます。
根抵当権のままでは、根抵当権設定者(本件では相談者のこと)の承諾がない限り、債権だけを譲渡しても、根抵当権も一緒に譲渡することにはなりません(民法398条の7第1項、同法398条の12第1項)。
しかし、元本確定請求をして普通抵当権にしてしまえば、債権を譲渡すると普通抵当権も譲渡することができます。
そのため、もしかしたら、消費者金融業者が債権を譲渡するために元本確定請求をしたかも知れません。
このように、債権者の都合で元本確定請求手続をすることもあるので、一度、債権者に事情を問い合わせてみるしかありません。
(後日談)
相談者から後日談の連絡をわざわざいただきました。
消費者金融業者に問い合わせたところ、弁済が順調に進んで残金がわずかになり、また、追加融資の予定もないので、元本確定請求手続をした、とのことのようでした。
消費者金融業者の親切心での元本確定請求手続ですが、事前の説明がないとびっくりしますよね。
ともかく、相談者は安心されておりましたが、私の予想は当たりませんでした(笑)。
この記事を書いたのは:
旭合同法律事務所(名古屋)