ノックの打球直撃で後遺症に6000万円賠償

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

2009年8月、徳島県内の高等学校で当時2年生だった野球部員の男性は、練習試合前のノックで、一塁手としてマウンド付近から一塁側へ走っていたとき、監督が右翼方向に打ったライナー性の打球を頭に直撃を受けました。

そのため、男性は急性硬膜下血腫などの大怪我をし、後遺症が残りました。

男性は、県に対して7000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていましたが、3月24日、徳島地裁は、「打球が当たって負傷する可能性を予見できたのに、監督は男性の動きを確認し、ノックを一時中止するなどの注意義務を怠った。」と指摘して、高校教諭だった監督の過失を認め、県に6000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

ノックされる球を捕球する態勢で身構えている選手への打球で、その選手が捕球し損ねて負傷したケースですと、裁判所の判断も少し違ってくるように思えます。


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旭合同法律事務所(名古屋)