財産管理

亡夫が残してくれた賃貸アパートの経営を弁護士に任せることはできますか?

Q 高齢になり、身寄りもないので、近々、老人ホームに入所します。亡夫が残してくれた賃貸アパートの経営を弁護士に任せることはできますか?
A 弁護士と財産管理についての契約を結べば、弁護士がアパートの管理をしてくれます。具体的には、家賃収入の管理、不動産の権利証や通帳など重要書類の保管をしてくれます。
Q 今は、自分で日々の生活に必要な財産を管理しています。老人ホームに入所するまでは、年金が入る通帳の管理を自分で行ってもいいですか?
A 財産管理の契約内容は、あなたの財産の内容や管理の状況、生活状況に応じて自由に決められます。老人ホームに入所するまでは、通帳の管理を自分で行い、入所後は弁護士に任せることもできます。
財産の内容と、どのような管理を希望しているかを弁護士に伝え、管理内容を相談して決めましょう。
Q 弁護士と任意後見契約を結び、財産を管理してもらう方法があると聞きました。財産管理契約とは、どのような違いがありますか?
A 財産管理契約は、契約内容によってすぐにでも、あなたの財産管理を弁護士に任せられます。
任意後見契約は、将来、あなたの判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ財産管理を任せる人と任せる内容を決めておく契約です。
この契約を結んでも、すぐに弁護士があなたの財産を管理することはできません。あなたの判断能力が低下し、申し立てを行うことにより家庭裁判所で任意後見監督人が選任され、初めて任意後見人として財産管理をすることができます。
Q 判断能力があるうちは、財産管理契約を結ぶだけでいいですか。
A 判断能力が低下した場合に備えて、任意後見契約もセットで結んでおくことをお勧めします。
Q 財産管理契約や任意後見契約には、どのくらいの費用がかかりますか。
A 契約に必要な費用は、あなたが依頼する財産管理の内容によって決まります。また、任意後見契約は公証役場で公正証書を作らなければなりませんので、その費用がかかります。そのほか、財産を管理する弁護士や後見監督人の報酬も、財産管理の内容によって異なります。

行政の支援事業や成年後見

Q 夫に先立たれ、一人で暮らしています。子どももいません。多額の財産はなく、年金収入で生活しています。
最近、物忘れが多くなり、足腰も弱くなってきたので、銀行に行って家賃の支払いなどの振り込み手続きをすることがおっくうです。近所の信頼できる人に頼んでもよいのでしょうか。
A 金額の多寡にかかわらず、あなたの大切な財産であることに変わりありません。適切に管理されているかを確認するのが難しい場合もあるので、一般の方に頼むことは勧められません。
Q 弁護士などに依頼すると、契約費用や毎月の管理料でお金がかかると聞きました。そこまでの費用を支払える資産はありません。他に、方法はありませんか。
A 都道府県や社会福祉協議会が実施している「日常生活自立支援事業」という制度を利用できる場合があります。認知症の高齢者など、判断能力が十分でない方が福祉サービスを利用するために必要な援助を受けることが可能です。
また、年金の受領手続きや、家賃や医療費などの生活費の支払い、預金の払い戻しなどもしてくれます。
Q 費用はどのくらいかかりますか。
A 希望する支援の内容や、住んでいる地域で異なりますが、比較的安価で利用できます。
Q 認知症が進み、私の判断能力が無くなったときは、財産の管理や必要な法律行為は誰に頼めばよいですか。
A 家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てる必要があります。選任された成年後見人があなたに代わって、あなたの財産を管理し、ヘルパーとの契約や施設に入所するための契約など、必要な法律行為をします。
Q 本人でないと申し立てはできませんか。
A 申し立ては、本人、配偶者、四親等内の親族などに限られています。しかし、身寄りがなく、本人による申し立ても難しい場合は、市町村長が申し立てることも可能です。
お住まいの市町村にご相談ください。
Q 経済的な理由で、申立て費用や成年後見人の報酬費用を払えない場合、申し立てはできませんか。
A 市町村の補助を受けられることもあるので、お住まいの市町村に相談するとよいでしょう。

平成30年12月17日付 聖教新聞 ここが知りたい!法律Q&A(第82回) 弁護士 福島宏美 より


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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