離婚

母子手当やパート収入と養育費だけでは生活に困る場合、生活保護を受けられる

S子さんは離婚し4歳の子どもと暮らしていますが、パートでの収入が少ないので生活保護の利用を考えて、A弁護士に相談しました。

S子さん 「私は、離婚した元夫から子どもの養育費として月額3万円を貰っています。生活保護を受けることができるでしょうか。」
A弁護士 「母子手当やパート収入と養育費だけでは生活に困る状況であれば、生活保護を受けることができます。」
S子さん 「生活保護を申請するとき、毎月貰っている養育費を申告しないといけませんか。」
A弁護士 「養育費は収入と認定され、その分だけ生活保護費から差し引かれることになるため、養育費は申告する必要があります。」
S子さん 「養育費でも収入から除外されて、生活保護費から差し引かれない場合があると聞いていますが、どのような場合ですか。」
A弁護士 「養育費を子どもの学習費など一定の目的で使う場合は、何に幾ら使うかを記載した自立更生計画書を提出し、収入認定除外を求めることができます。そして、保護費の支給額から、養育費のうち収入と認定された額を差し引いた金額が実際に支給されます。」
S子さん 「収入から除外される支出は、どのような支払いですか。」
A弁護士 「お子様が幼稚園・保育園の場合は、入園料や保育料など就園のため必要と認められる目的に使われる最小限度の金額です。お子様が学校に通うようになると、公立高校までは授業料が公費で負担されますが、塾の費用、参考書・問題集、通学用自転車購入、修学旅行費、クラブ活動費など就学に伴って通常必要と認められる目的に充てられる最小限度の金額が収入認定から除外されます。」
S子さん 「必要と認められる最小限度の金額というのは、どんな意味ですか。」
A弁護士 「その地域の標準的な家庭で、その年齢の子供に通常必要とされる学習費などのことですから、自治体によって多少違ってきます。」
S子さん 「生活保護を申請したり収入認定除外を求めるには、どこへ行けばいいのですか。」
A弁護士 「自分が住んでいる地方自治体の長が管理する福祉事務所に行くことになります。自分だけでは不安の場合は、弁護士に相談して同行してもらえば、手続がスムーズに進みます。」
S子さん 「貰っている養育費を福祉事務所へ申告しなかったときは、どうなりますか。」
A弁護士 「生活保護法63条による費用返還とか、同法78条による費用徴収の対象とされます。そのようなことにならないためにも、貰っている養育費は申告したうえで、収入認定除外を求めるようにしましょう。」
S子さん 「養育費が過去分まで遡って、元夫からまとまって支払われた場合は、生活保護を止められてしまうのでしょうか。」
A弁護士 「まとまって支払いを受けた養育費は臨時的な収入と認定されます。その金額にもよりますが、生活保護費の支給が停止されたり、廃止される場合があります。」
S子さん 「臨時収入のために生活保護費の支給が停止されるのは、どんな場合ですか。」
A弁護士 「その世帯における臨時的な収入の増加、最低生活費の減少などによって一時的に保護を必要としなくなった場合であって、以後に見込まれるその世帯の最低生活費と収入の状況から判断して、おおむね6か月以内に再び保護を必要とする状態になることが予想される場合は、保護を必要としない期間だけ生活保護費の支給が停止されます。そして、支給の停止期間が過ぎると、生活保護費の支給が再開されます。」
S子さん 「生活保護費の支給が廃止されるのは、どんな場合ですか。」
A弁護士 「保護を必要としない状態がおおむね6か月を超えて継続すると認められる場合は、生活保護費の支給が廃止されます。臨時的な収入を使い切ってその後再び生活保護が必要になったときは、改めて生活保護を申請することになります。」

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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