消費者

子供によるクレジットカードの無断使用

13歳の少年が父親の財布の中からクレジットカード(アメリカン・エキスプレス・カード)を盗み出し、平成22年12月11日から同月23日までの間にキャバクラ11店で飲酒遊興し、その代金553万円をクレジットカードで決済しました。

少年がキャバクラで飲食したキャバクラ利用契約が未成年者取り消し及び公序良俗違反により無効であるとしても、信販会社と父親との間の立替払契約はどうなるのかが主に争われた事案がありました。

とりわけ、盗難カードの不正使用があった場合、信販会社のカード利用規約には、窃盗犯人が家族の場合には責任を免れないという条項があり(いわゆる家族ルール)、この規約をそのまま適用してしまうと、父親の責任は免れないことになってしまうが、それで良いかという問題です。

裁判所は、加盟店の悪性の程度、信販会社の本人確認の杜撰さ等の事情を考慮して、信義則ないし権利乱用の法理により信販会社の請求を制限することがあるという考えを示しました。

具体的には、キャバクラ(風俗営業店)は享楽的な雰囲気の中で酒を提供する店であり、未成年者の飲酒に関する規制は厳しいこと、キャバクラ代金は客が未成年者であることを考えると暴利であり、不正使用に便乗して暴利を得ようとしたものであること、キャバクラ店は年齢を確認する義務を懈怠していたこと、信販会社は不正使用の可能性を抱く程度に多額であり、また、一度本人確認のために店に電話を入れているが、少年が取引銀行名を答えられなかったにもかかわらず本人(父)による使用と認めてしまっていること、などの事情を指摘した。

その上で、キャバクラ代金553万円のうち476万円については、不正使用による損害を本人(父)に転嫁することは容認しがたいとして、信販会社による請求は権利濫用・信義則違反だとしてこれを認めない、と判決をしました。

@京都地裁平成25年5月23日判決(判時第2199号52頁)

(コメント)
判決では、少年の風貌は童顔であり、未成年者であることは分かりやすい男性であった、と指摘しています。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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