空き家対策実態調査 総務省が調査しました。
この記事を書いたのは:澤健二
総務省が空き家特措法施行後2年を経過したことで、各自治体が空き家対策をどのように進めているか実態調査をした結果を本年1月に公表しました。
空き家特措法により、放置すると危険等と認定した特定空家の所有者に対し「助言・指導」をした自治体数は314に及び、指導・助言に従わず、結局解体まで行った代執行をした自治体数は40に及んだそうです。全国の市町村は1741あるそうですので、特定空家を認定した自治体は20%にも満たない状況です。
私も空き家になった家屋を遺産とする遺産分割事件で名古屋市から「指導・助言」を受けたことがありましたので、もっと対策が進んでいるかと思いましたが、大きな市はいいものの実態調査をした93の自治体の約半数が2人以下の職員しか携わっておらず、所有者死亡の場合の相続人調査等の事務負担が大変なようです。自治体だけで抱え込まずアウトソーシングも考えていかないといけないかもしれません。
それでも集計可能な72の自治体に対する調査では、所有者等を調査した1万1565戸のうち1万0989戸の所有者を特定しており95%が特定しており、特定のために福祉部局の介護サービス利用履歴や自治会等が所有する10年以上前の住所録を入手する等様々な手法を活用しているようです。
建物を解体する等の代執行をした事例は48例あったそうですが、執行費用を回収できた件数は5例にとどまっているそうです。空き家解体後の土地を売却できる場合は財産管理人を選任する等して選任費用も回収できるのでしょうが、借地上の空き家などは回収が難しいと思われます。
いろいろ問題はありますが、空家は放置できませんので自治体だけに任せず、NPOや町内会等いろんな団体が協力して対応する必要がありそうです。