蓮舫民進党代表の国籍問題

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

メディアなどでしばしば報道されていますが、分かりにくいですよね。報道等によると次のような経過のようです(ここでは「1つの中国」問題には触れません)。

1967年 蓮舫氏出生(父:台湾籍、母:日本国籍)
蓮舫氏は台湾籍を取得(当時の国籍法では母が日本人でも日本国籍は取得できなかった)

1985年 国籍法改正(母が日本人でも日本国籍取得OK)
蓮舫氏、日本国籍取得(この時点で二重国籍者となる)

国籍法14条は二重国籍者に対し、22歳までに外国籍か日本国籍かを選択しなければならないとの法律上の義務を定めている。日本国籍を選択するなら、外国籍を離脱して二重国籍を解消するか、日本国籍選択宣言を届け出るかのどちらかの手続をする。

1989年 蓮舫氏22歳に。しかし、国籍法上の義務を果たさず。

2004年 蓮舫氏が国会議員に当選(民主党から出馬)
2010年 蓮舫氏が大臣に就任(民主党政権)
2016年9月15日 民進党代表に就任(二重国籍問題が報道される)

2016年9月13日 台湾籍離脱
2016年10月7日 日本国籍選択宣言の届出
しかし、これらの根拠資料を開示せず。

これまでの説明が二転三転して疑義がもたれているとして、台湾籍喪失許可証や日本国籍選択宣言が記載された戸籍謄本の開示をして国籍法上の義務を果たしたことを明らかにすべきとの指摘あり。

2017年7月18日 蓮舫氏が根拠資料を開示。

法律上の観点として、2016年に国籍法上の義務を果たしたといえども、少なくとも2016年までは国籍法違反をしていた、過去の選挙において台湾籍はもっていないと述べていたはずで経歴詐称の公職選挙法違反(虚偽事項公表罪)ではないのか、との批判あり。

将来的な課題として、二重国籍者が首相などの閣僚に就任することをどう考えるべきか(実際に蓮舫氏は大臣経験あり)、ということを初めて世論に問いかけた、とも言えそうです。


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旭合同法律事務所(名古屋)