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無罪事件の起訴違法性の判断

強制わいせつ致傷罪で起訴された後、無罪が確定した事件で、被告人となった男性が「起訴は違法」として、国に1280万円の賠償を求めた訴訟の最高裁判決が出ました。

被告人とされた男性は、路上で女性に抱きつきけがをさせたなどとして刑事事件として起訴されました。しかし、大阪地裁は、男性を犯人とする女性の供述の信用性を疑問視し、刑事事件としては無罪を言い渡し、確定もしました。

男性が提起した民事事件については、1審の大阪地裁は「起訴時点では容疑があった」として請求を棄却しました。

男性は、控訴し、2審の大阪高裁は、警察が女性に2度、複数枚の人物写真から容疑者を選ばせる際、男性のみ2度入っていた点を重視し、「誘導の作用が生じた可能性がある。女性は当時相当量の飲酒をしており、検察官は供述の信用性を冷静に判断すべきだった」と過失を認め、330万円の支払いを命じる逆転判決が出ました。

これに対し、国は、上告し、最高裁の結論が注目されました。最高裁は、「女性は複数回、犯人を至近距離で見ており、容貌について早い段階で供述した。供述の信用性を認めた検察官の判断が合理性を欠くとは言えない」と結論づけ、起訴の違法性を否定し、再度の逆転判決になりました。

大阪高裁が指摘するように「女性が相当量の飲酒をしていた」とすれば、最高裁の判断には疑問はありますね


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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