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固定資産税の徴収ミスがとまらない

平成27年7月10日、神奈川県伊勢原市は、昭和48年度から42年間にわたって市内の分譲マンション22棟の課税標準を誤り、固定資産税及び都市計画税(固都税)を過大に徴収し続けていたことを明らかにしました。

過大徴収総額は1億1000万円で、一戸あたり18万4600円となるという。

市によると、当該マンションの構造では課税床面積に含まないはずのバルコニーを誤って算入したことが原因という。

住民数名が、担当課に説明を求めても相手にされず、やむを得ず、市の固定資産評価審査委員会に不服を申し出たことで、ようやく市が調査して誤りに気づいたという。

これから過大徴収分は住民に返還されますが、一部はすでに時効になっているため、全額返還とはならないという。

@納税通信(第3420号)

固都税の過大徴収の事案としては、平成26年に発覚した埼玉県新座市のケースが記憶に新しい。

固定資産税の過大徴収の代表例(埼玉県新座市)の事例

この事案では、住民が固都税の支払いを滞納し、公売によって自宅を失った後で、公売で購入した不動産業者が誤りに気づき、発覚したものでした。過大徴収分の固都税は返還されましたが、自宅は戻ってきませんでした。

ある夫婦が、新しく土地を購入し、ローンを組んで自宅を新築した。

土地に住宅を立てた場合、土地の固定資産税が最大6分の1で計算されるが、新座市は、27年もの間、更地の状態として高額の固定資産税を徴収し続けていた。

ローンの支払もあり、税金も割高に請求されてたこともあって、滞納しがちであった。

新座市は、年老いた夫婦の土地を、銀行ローンが完済したとたんに差押え、公売にかけ、不動産業者に売り飛ばした。

住宅を購入した不動産業者が、固定資産税が高すぎるのではないか、と税務課に調査を依頼したことから、過大徴収事件が明らかとなった。

新座市が誤りに気づいたときには、年老いた夫婦はマイホームから追い出され、アパートに引っ越してしまった後であった。

更地であるか、自宅が建っているかの判断は、小学生でもできる。

地方税法408条には、課税対象物件は1年に1回現地を見なさいとなっているが、税務課の職員は27年間誰1人としてこの決まりを守らず、間違った高額の税金を請求し続けた。

それだけでなく、延滞した税額には、サラ金のように14.6%もの高額な延滞利息をつけて、請求し続けていたのである。

その後、新座市は、市内の全物件の調査を行い、最終的に、2,849件もの過大徴収があったと判明し、過大徴収額は7億5000万円を越えたのであった。

これだけ固都税の徴収ミスが続くと、建物新築時に行われる評価制度を見直す必要があるかもしれません。

@納税通信(第3382号)

またまた固定資産税の徴収ミス

平成27年11月、埼玉県ふじみ野市は、市内の土地の95件で固定資産税等の過徴収があったことを公表しました。

過徴収の返還額は約2800万円になる見通しとのこと。個人では350万円、法人では1350万円もの還付をする事案も含まれているという。

全国で相次ぐ固定資産税の徴収ミスを受けて、同市では市内の不動産を全件調査しており、まだ調査が2割しか終わっていない段階で、これだけの徴収ミスが発覚しました。
今後も、過徴収が見つかるのはほぼ確実と見られ、同市では還付金として1億1570万円ほどを見込んでいるという。

全件調査が終了する前から、全件調査が終了した場合の過徴収の額を見込んでいる状況に言葉が出ませんね。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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