刑事事件

警察でDNA型の採取に同意を求められたらどうすべきか

警察は、被疑者の指紋を採取するとき、DNA型の鑑定に使う口腔内粘液を綿棒で採取することの同意を求めてきます。

DNA型は、指紋と並んで一人一人微妙に違うのと、生涯変わらないから、ヒトの同一性を識別する優れた証拠に利用できるためです。

指紋や足型の採取は、身体を拘束されている被疑者の場合は、刑事訴訟法218条3項に規定があるので、判官の発する身体検査令状がなくても強制的に行えます。

しかし、DNA型の採取についてはそのような規定がありません。

提出者が任意に応じない限り、身体検査令状を示さなければ行えません。

例えば、万引きの現行犯で警察に通報されたとします。

その場合でも逮捕されていなければ、指紋の採取に応じるかどうかは任意であり、強制的に指紋を採ることは違法です。

ましてや、DNA型となると、万引き事件の犯人特定には関係のないことですから、身体検査令状を請求しても裁判官が却下すると思われます。

交通事故の場合でも同様ですが、警察官から求められると、指紋だけでなくDNA型の採取も仕方がないと思って、応じる人が殆どです。

DNA型は重要な個人のプライバシーです。口腔内粘液の採取に応じるかどうかは、本人の自由意思ですから、提出を求められても拒否できます。

不起訴になった事件の際に採取されたDNA型の記録が、その後の別事件で犯人を特定するための証拠として利用されるケースがありますから、簡単に応じるべきではありません。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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