自筆証書遺言は全文自筆で
この記事を書いたのは:松波克英
相続、不倫、冤罪逮捕などをテーマ
2012年12月4日(火)の夜7時からフジTV系で、「あなたの知るかもしれない世界 全て実話今夜アナタも当事者に 日常の万が一描く恐怖のバラエティー」という番組があったので、ビデオ録画しておいて見ました(深夜、家で仕事をしながら、ビデオを倍速で見る(というよりも流す)のが習慣になっています)。
相続、不倫、冤罪逮捕などをテーマに、実話を基にしたというドラマを流して出演者がコメントするバラエティ番組でした。
いくつかおかしい場面はあったのですが、最も笑えたのは、「兄嫁VS妹ドロ沼遺産争い」というドラマで、亡父が書いたとする2つの自筆証書(公正証書ではない)遺言が兄と妹から出され、そこに立ち会った行政書士が、妹から出された遺言の方が日付が後だから効力が優先すると意見を述べた場面でした。
その遺言はパソコンで本文が打ってあり、サインだけ自筆になっていました。
しかし、自筆証書は全文が自筆でないといけません。したがって、行政書士は、遺言は自筆ではないから無効ですという意見をまずもって述べるべきですよね。
行政書士のアドバイスは明らかに誤っています。
この番組の意図は、行政書士に頼むと間違った結果になってしまいますよ(まじめな行政書士さんすみません!!)、ということを、暗にアピールしようとしていたのかと皮肉りたくなる内容でした(当然のことながら、そのようなコメントはなく、行政書士の誤りは最後まで訂正されませんでした)。
以前にも、行政書士が弁護士法違反の行為を堂々とやっているテレビドラマ(カバチタレとか、特上カバチ)が、問題になりましたが、このドラマでも、何で行政書士が立ち会うことができるのかという点も疑問でした。
法律問題は、法律専門家である弁護士に依頼することが大切であることを改めてアピールする必要を痛感しました。
松波克英