書面不備ならいつでもクーリングオフ

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

平成23年12月、外国人の結婚相手紹介サービスをしてくれる会社と契約をしました。

契約内容としては、契約代金30万円、サービス提供期間が3か月でした。

会社から外国人女性の紹介を受けて、平成24年1月にはモスクワまで出かけて面会もしましたが、その後に交際は進展しなかったということがありました。

その後、私は、平成24年10月、契約をクーリングオフする通知をし、契約代金の返還を求めましたが、会社側はこれを拒んだのです。

そこで、私のクーリングオフが有効かどうか裁判に発展しました。

裁判所は、私と会社が交わした「契約書」について
①サービスを提供する時間や回数などの記載がないこと
②クーリングオフについての不実の告知やクーリングオフ妨害に関する記載がないこと
③クーリングオフの契約解除は発信主義であることの記載がないこと
④クーリングオフをしたときには違約金などが生じないことの記載がないこと
⑤クーリングオフの記載が赤枠の中に赤字で記載されていないこと
などを指摘しました。

その上で、
このような契約書では、クーリングオフについての記載に不備があり、このような不備のある契約書面の交付では、クーリングオフ期間(8日間)の開始は認められないから、いつでもクーリングオフを行使することができる、としました。
そして、会社側に対し、契約代金30万円の返還を命じてくれたのです。

なお、会社からは、サービスの提供を受けておきながらクーリングオフを行使することは権利濫用だとの主張がありましたが、裁判所はこれを排斥してくれました。

@名古屋簡裁平成25年9月27日判決(消費者法ニュース第98号281頁)


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旭合同法律事務所(名古屋)