司法のDXが加速する。裁判のオンライン化で変わる私たちの法的手続き
この記事を書いたのは:戸田裕三

日本の司法制度がいま、大きな転換期を迎えています。
これまで「裁判」といえば、重厚な扉の向こうにある法廷に、当事者や弁護士が実際に足を運んで行うのが当たり前でした。しかし、デジタル技術の進展とともに、裁判手続きをインターネット上で行う「裁判のオンライン化」が急速に進んでいます。
1. オンライン化の「3つの柱」
裁判のIT化は、主に以下の3つのステップで構成されています。
① e-提出(オンライン提出)
これまで紙で提出していた訴状や準備書面を、インターネットを通じて24時間いつでも提出できるようになります。

以前はFAXや郵送が主流でしたが、現在は専用のシステムを通じてデータのアップロードが可能になりつつあります。
郵送代の節約や、提出期限直前のスピーディな対応が可能になります。
② e-法廷(ウェブ会議での審理)
裁判官、原告、被告をウェブ会議システム(Microsoft Teamsなど)でつなぎ、口頭弁論や争点整理を行います。

すでに実務で広く活用されています。弁護士は事務所から、当事者は自宅や外出先から裁判に参加できるようになりました。
遠方の裁判所へ行くための交通費や移動時間が不要になります。
③ e-事件管理(デジタル記録の閲覧)
裁判資料をデジタル化し、オンライン上でいつでも閲覧・管理できる仕組みです。
システムの構築が進められており、将来的には「紙の記録」という概念がなくなるとされています。
2. 依頼者にとっての具体的なメリット
裁判のオンライン化は、弁護士の業務を効率化するだけでなく、ご依頼者の皆様にも直接的な恩恵をもたらします。
コストの削減 弁護士が遠方の裁判所へ出張する際の「日当」や「交通費」が大幅に軽減されます。
スピードアップ 書面のやり取りが瞬時に完了するため、裁判全体の期間が短縮される傾向にあります。
仕事との両立 自宅や職場近くの弁護士事務所から参加できるため、仕事を休む時間を最小限に抑えられます。
3. 弁護士選びにどう影響するか?
これまでの弁護士選びは、「自宅や職場から近いこと」が大きな判断基準の一つでした。しかし、オンライン化が進むことで、「全国どこの弁護士にも依頼しやすくなる」という変化が起きています。
例えば、東京に住んでいる方が、福岡の裁判所で争うことになった場合。これまでは福岡の弁護士を探すか、東京の弁護士に高い出張費を払って同行してもらう必要がありました。
今後は、「自分の信頼できる弁護士」であれば、所在地を問わず依頼できる時代になります。専門性や相性を重視して、より柔軟に弁護士を選べるようになったのです。
4. 当事務所の取り組み
ウェブ会議の積極活用: ご依頼者様との打ち合わせもZoomを活用し、ご来所の負担を軽減します。

クラウドでの書類管理: 安全なセキュリティ環境下で資料を共有し、スムーズな進捗確認を可能にしています。
柔軟なコミュニケーション: チャットツールやメールを活用し、タイムリーなご報告を心がけています。
当事務所は、この新しい仕組みを最大限に活用し、皆様の権利を守るために最善を尽くします。「裁判をしたいけれど、仕事が忙しくて時間が取れない」「遠方の裁判所での争いになりそうで不安」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
