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医師の当直勤務と割増賃金

医療機関の待遇改善は進むでしょうか?

当直勤務の際、過酷な労働に見合う割増賃金が支給されていないとして、奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医の男性2人が、5年分の未払い分の支払いを県に求めた訴訟で、平成25年3月15日、最高裁は、医師側の請求を一部認めて計約1540万円の支払いを県に命じた一、二審判決が確定しました。

県は夜間や休日の当直1回につき一律2万円の当直手当を支給していましたが、医師側は「勤務実態を反映した額になっていない」「当直中の分娩(ぶんべん)が常態化しており、通常勤務と同様の労働である」と主張して、労働基準法で定められた時間外・休日の割増賃金を支払うよう求めていました。

一審・奈良地裁判決は「当直中の分娩も少なくないうえ、帝王切開などの異常分娩、救急医療への対応もしている」と指摘し、当直を割増賃金の支給対象と認めて、未払い分の支払いを県に命じました。

医師側の勝訴の最高裁判決が出たことで、実質的には日勤の時間帯と変わらない仕事を医師に求めている医療機関は、早急な待遇改善が必要となりそうです。

ちなみに、厚生労働省は2002年、夜間・休日の「宿日直勤務」で認められるのは、原則として病室の定時巡回などに限られ、夜間は十分な睡眠時間が確保されなければならない、と当直勤務の要件を示す通達を出していました。

しかし、報道によれば、労働基準法違反を指摘される医療機関が後を絶たず、11年は労働時間に関する違反や割増賃金の不払いなどが1543件に達したそうです。

医療機関側の待遇改善を注視する必要がありそうです


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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