適格消費者団体訴訟の活用

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

適格消費者団体の差し止め

国が認定した11の適格消費者団体が消費者に代わって業者に対して訴訟を起こす制度です。

例えば解約手数料が膨大な契約をさせられた消費者が存在する場合に、解約手数料を定めた契約条項を破棄するように求める裁判を適格消費者団体訴訟が業者に提起すると言うケースです。

これが認められれば消費者は、払いすぎた解約手数料を返すように求める裁判を各自で起こすことになります。

既に前の裁判で解約条項が違法であることは認められているわけですから消費者の手間は少なくて済みます。

実際このような方法で解約手数料の返還命令を勝ち取った例が5月8日の朝日新聞に掲載されていました(冠婚葬祭互助会に対する解約手数料の例)。

現在は、法改正の審議中で法改正が成立すれば消費者は、払いすぎた解約手数料を返すように求める裁判を起こす手間も省けるようになるようです。

愛知県には「あいち消費者被害防止ネットワーク」(ACネット)

適格消費者団体は全国で11ありますが、そのうち愛知県には「あいち消費者被害防止ネットワーク」(ACネット)という団体があります。

東海三県の一般消費者、消費者団体、弁護士等約120名で構成されているそうです。

今までの成果としてはアマゾンの契約条項の一部について消費者の利益に反すると言う理由で是正の申し入れをして、長期間に渡る交渉の結果、条項の一部が消費者に有利に改められたと言う成果があるそうです。

またある専門学校に対して「入学辞退の申し出時期にかかわらず、納入された学費を一律に返還しないとする条項」が、無効であるとして条項の使用差し止めを求めて係争中だそうです。

我々の意識しないところで我々の身近な成果をあげているのですね。


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旭合同法律事務所(名古屋)