車椅子と消費税

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

車椅子は非課税品目ですから消費税はかかりません。
しかし、車椅子メーカーは、材料を仕入れて車椅子を製造するわけですが、その仕入れる材料や製造過程で必要な電気代などには消費税がかかります。
そうすると、車椅子メーカーは、仕入れ段階では消費税を支払うけれども、販売段階では消費税をいただくことができないわけですね。

病院での診療報酬と異なり、車椅子メーカーは車椅子の販売価格そのものを値上げすることはできます(病院での診療報酬は国が定めるため値上げできません)。
そのため、仕入れでのコストアップを販売価格に転嫁することはできます。

しかし、車椅子は非課税品目ですから、単に消費税を理由として車椅子の販売価格を値上げします、と述べただけでは、消費者にはなかなか理解してもらえないかもしれませんね(車椅子には消費税がかからないはずなのに、なんで値上げするんだ、という批判が出るかも知れません)。

今後、軽減税率の議論が政治課題になるかも知れませんが、仮に、食料品が非課税品目となれば農家や漁師がこうした問題に直面するかも知れません。
緻密な制度設計がなされることを期待したいと思います。


この記事を書いたのは:
旭合同法律事務所(名古屋)