空き家が捜査の支障に -脱走犯の潜伏先かー

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

平成30年4月8日、愛媛県今治市にある松山刑務所大井造船作業場から脱走した平尾龍磨受刑者(27)が、盗んだ車で「しまなみ海道」を走り、広島県尾道市の向島(むかいしま)に逃げ込んで2週間以上が経ちました。

広島と愛媛両県警は、述べ1万人以上の捜査員を投入して、脱走犯の行方を捜索していますが、4月24日現在未だに見つかっていません。

瀬戸内海に浮かぶ人口2万人そこそこの島ですが、島内には1000軒以上の空き家が散在しています。空き家と雖も誰かの所有物件ですから、無断でドアや窓などをこじ開けて屋内に踏み込むことはできません。そのため捜査員も外側から気配を覗うことしかできず、脱走犯の発見は難航しています。所有者が誰か、その連絡先は何処かが分からない空き家が多数あるため、屋内への立ち入り同意を得ること自体が進まないようです。

この間に、島内では平尾脱走犯の犯行と思われる盗難も発生しており、島民の不安が続いています。脱走犯の発見が長引いている原因が空き家のみとは限りませんが、放置されたままの空き家は、脱走犯にとってお誂え向きの隠れ家になることは確かです。防犯対策面からも空き家対策は、本腰を入れて取り組む必要があります。


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旭合同法律事務所(名古屋)