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遺族年金の男女差、憲法違反に

遺族補償年金の受給要件に男女で年齢差があるのは法の下の平等に反し違憲だとして、教諭の妻を公務災害で亡くした堺市の元会社員(66)が年金支給を求めた訴訟の判決がありました。

元会社員は1998年に堺市立中学教諭の妻(当時51歳)を亡くしました。

妻は職務上の心理的ストレスからうつ病を発症して自殺し、地方公務員災害補償基金(東京)に公務災害と認められ、元会社員は遺族補償給付制度に基づく年金を申請しました。

しかし、地公災法32条の規定などで、夫を亡くした女性は年齢に関係なく年金をもらえますが、妻を亡くした男性の場合は(1)妻の死亡時に55歳以上(2)受給開始は60歳以上??という条件が付いていることから基金は、妻の死亡時に元会社員が51歳だったことを理由に、年金の不支給を決めました(夫は年金がもらえない結果になります)。

女性は、夫の過去3カ月の平均給与の153~245日分の年金が毎年、生涯にわたり支給されます。
一方、妻死亡時に54歳以下の男性は平均給与の1000日分の一時金の支給となります。

大阪地裁は、法制定当時は、正社員の夫と専業主婦の世帯が一般的で規定は合理的だったと指摘しています。

一方で、こうした規定は「憲法に照らし不断に検討、吟味されなければならない」と指摘したうえで、共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、男性の非正規雇用も増えており、女性より男性の完全失業率が高くなった他、母子家庭の8割以上が就業するなど、社会情勢が大きく変化しており、「性別のみで受給権の有無を分ける合理的な根拠はない」と認定しました。

さらに、母子家庭を対象にした児童扶養手当が2010年8月から父子家庭にも支給されるなど、男女の差を解消する国の動きも挙げ、「性別で受給権の有無を分けるのは合理的ではなく、不合理な差別的扱いで違憲、無効だ」」と判断、地方公務員災害補償基金の不支給決定を取り消す判決を下しました。

年金受給資格の男女差の是非をめぐる初の司法判断となります。なお、同じ規定は、民間労働者の遺族補償や厚生年金にもあります。今後の制度改正を含めて注目されますね


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

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