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性同一性障害の女性の父子関係認めず

性同一性障害で性別を女性から変更した兵庫県宍粟(しそう)市の自営業男性(31)が、第三者から精子提供を受けて妻(31)が出産した次男(1つ)と父子関係があることの確認を求めた訴訟の判決がありました。

性同一性障害特例法により性別を変更した男性は、08年に結婚。12年6月、次男の出生届を東京都新宿区に提出しました。しかし区は性別の変更が記載された戸籍から生殖能力がないとして男性を父と認めず、職権で父親欄を空白にした次男の戸籍を作成しています。

男性側は、妻が婚姻中に妊娠した子供を「夫の子と推定する」とした民法の規定を適用すべきだと主張。性別変更を伴わない場合は、第三者からの精子提供で生まれた子供にも父子関係が認められているとして「性別などによる差別を禁じた憲法に違反する」と主張しています。

判決では、生来的な男女の夫婦の場合につ…いて「人工授精だということが戸籍からは明らかではないため、担当者が形式的審査で推定要件を満たしていると認定しているにすぎなく、差別ではない」としたうえで、民法は妻が婚姻中に懐妊した子を「夫の子と推定する」と規定しているが、「母が夫との性交渉で次男を懐妊することが不可能だったのは戸籍の記載から明らかだ。民法の推定は及ばない」と判断、また「夫の同意を要件として父子関係を認めることは立法論としては十分考えられるが、現行の民法は自然生殖ではない父子関係を想定していない」と指摘、請求を棄却しました。男性側は控訴することを決めています。

ちなみに、男性側は、同様に父親欄が空白の長男(3つ)の戸籍訂正を求める審判を申し立てていますたが、東京家裁、高裁は認めず、最高裁で係争中です。次男については戸籍訂正の審判ではなく、父子関係を確認する訴訟を起こしていました。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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