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使えないごみ処理発電施設の責任

鹿児島県いちき串木野市が旧市来いちき町から引き継いだ「ごみ処理・発電施設」が計画通りに稼働せず、国から建設時の補助金返還を求められている問題があり、市が設計・施工会社に損害賠償を求めた訴訟があります。

旧市来町が国などからの補助金約3億円を含む約10億円で建設し、2004年4月に稼働した「市来一般廃棄物利用エネルギーセンター」が問題の施設です。

これは、「一般ごみ」と「牛骨粉」を蒸し焼きにして発生させたガスを燃焼させ、発電する計画だったようです。

しかしガスに不純物が混ざって発電できず、ごみ処理量も計画の3割程度だったとのこと。

合併で誕生した市は2008年12月、運転を停止し、補助金を含む建設費の返還を求めていました。

裁判での争点は、考案者の東京工業大教授と、教授が社長を務める神奈川県の設計会社、施工した東京都の三井三池製作所の賠償責任の有無でした。

鹿児島地裁は、「同様の技術の実用例はなく、旧町との契約書にも施設が実証的性格を有すると記されている」と指摘したうえで、「発注した旧市来町も実用ではなく、実証的性格を有する施設と認識していた」と、町側がある程度のリスクを承知しながら契約したと認定しました。

不具合が続いた点についても、搬入された一般廃棄物に産業廃棄物が含まれ、適切に分別されていなかったことも機能不全に影響したとして」業者側の責任は問えないとし、市の請求を棄却しています(4月24日判決)。

判決では、「旧町は、施設の能力が確認されていないにもかかわらず、(補助金申請に必要な)検査調書を交付し、実績報告書を作成した」とし、補助金を巡る手続きの問題点も指摘しています。

行政の杜撰さが明らかになった判決ですが、建設費が勿体ないです。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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