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グーグルの検索機能の逆転判決

プライバシーの侵害が問われたのは、検索キーワードと関連性の高い言葉を自動的に補う「オートコンプリート」と呼ばれる検索支援機能。
日本ではサジェスト機能とも呼ばれ、コンピューターが統計処理に基づき関連する言葉を自動的に補っくれる。

原告側によると、自分の名前を入力すると犯罪を思わせる言葉が表示され、職を失うなどの被害にあったという。

一審ではこうした機能が個人の名誉を毀損するサイトに導いていたことを考慮し、慰謝料の支払いなどを命じた。

一方、高裁は「支援表示はウェブページの抜粋にとどまり、それ自体でプライバシー侵害にはならない」と判断。「事実が公表されない法的利益と、それを公表する理由とを比較衡量すれば、後者が優越する」と結論づけた。

高裁判決はインターネット時代を迎え、検索サービスが生活に不可欠な技術となった点を重視したといえる。

だが、それだからといって個人の権利が侵害された状態を看過していいというのはうなずけない。
不当な表示を削除できる何らかの法的措置は必要だろう。

グーグルの検索機能を巡ってはフランスやドイツでも削除を命じる判決が下されたが、グーグルは十分には対応していないようだ。
適切な救済措置がとられなければ政府間で協議し、司法とは別な形で対応策を求めていくことも、今後は重要だといえよう。

原告側は上告する構えだが、仮に最高裁が判断を再び覆したとしても、国境を越えた外国企業の情報サービスに対し、国内法の執行をどう求めていくかという課題は残る。

便利な技術の発展をそぐことは好ましくないが、それを適切に利用できる環境づくりも併せて進めていく努力が必要だ。


この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

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