その他

「遺言、遺産相続の相談が増えてます。」

遺言信託

Q 遺言の相談が増えているようですが、遺言でどんな内容を決められますか?
A 遺産となる財産を誰にどの程度相続させるかが一般的な内容ですが、それ以外にも、「葬儀の方式」や「喪主」を決める遺言も多いですね。
Q 信託銀行の遺言サービスがあると聞きましたが。
A 信託銀行の遺言信託は、一般的に基本手数料が高額ですし、遺言を保管する料金も必要となります。遺言執行の報酬手数料も最低額が100万円を超えるので、費用的には相当高価になりますね。遺言には種々の法律問題も発生することがあるので、弁護士に依頼するのが一番良いでしょうね。

遺言の内容

Q 妻子もなく、家族はペットしかいない場合、ペットに相続させる遺言はできますか?
A ペットに遺産を相続させることはできませんね。
ただ、ペットの面倒を看てくれる人に、それを条件として遺産を遺贈することは出来ます。
法的には「負担付遺贈」といいます。「負担付遺贈」は高齢の両親の介護を条件するケース等でも行われます。ただ、負担が実行されるかの担保のために、その判断を委ねる遺言執行者として弁護士を選任しておくと良いでしょう。
Q 妻に内緒で愛人に遺贈させることもできますかね?
A 裁判例は多数あり、公序良俗に反するとして無効と解釈された事例もあります。
その判断基準としては、妻との婚姻の実態がある程度失った後の遺言か否か、愛人との内縁関係がある程度継続しているか、遺言の内容が相続人らの生活基盤を脅かすか等を総合的に考慮しています。

遺留分

Q 私達夫婦には、子供がいません。「遺留分」という制度(遺産の一部を取り戻す制度)を聞きましたが、妻に遺言で財産を渡しても、兄弟に財産を取られないかが心配です。
A 兄弟姉妹には、「遺留分」の権利はありませんので心配ありません。
最近では、子や親のいない御夫婦が、一方の配偶者に対して全財産を相続させる旨の遺言を相互に残し、併せて自分で財産管理が出来なくなった場合のために任意後見契約をして老後に備える人も増えています。

相続放棄

Q 父が死亡しましたが、借金が多くあることが分かりましたが、どうしましょうか?
A 相続人の権利義務の承継を全て拒否する「相続放棄」と遺産の限度で債務を弁済することを条件とする「限定承認」があります。
Q 父は、3年前に死亡しましたが、今からでも、相続放棄や限定承認はできますか?
A 相続放棄や限定承認は、原則として、相続の開始を知って「3カ月以内」に行 わないといけません。これを「熟慮期間」といいます。
ただし、最高裁は、相続財産が全くないと信じ、信じるについて相当な理由がある場合には、例外的に熟慮期間の起算点が繰り下げられると判断していますから、3カ月を経過しても相続放棄等が認められることはあります。
なお、下級審判例及び当事務所で担当した事件でも、相続財産の存在を知っていても、予想外の多額の負債が後日に発見された場合には、「遺産の構成の錯誤」があるとして、例外的に相続放棄を認めた事案もあります。

遺産分割調停

Q 兄弟から遺産分割調停を申立されました。調停で取り扱わない事項もありますか?
A 遺産分割調停は、「遺産」の分割ですので、遺産に該当しない財産は原則的に調停対象外です。例えば、預金、生命保険金、死亡退職金は遺産に該当しません。
預金は、一般的な感覚では、遺産のようですが、最高裁は、可分債権は相続分に応じて当然に分割されると判断するので、原則的に預金は調停の対象外となります。
墓石、位牌、仏壇も遺産と取り扱われません。
Q 葬儀費用の問題も遺産分割調停で解決できますか?
A 葬儀費用は、相続開始後に生じた債務で、一次的には喪主が負担すること等 から、原則的には、民事訴訟手続で解決すべきとされています。
Q 預金、墓石等の問題は調停で解決できませんか?
A いずれにしても、預金、墓石等の問題は、現実の調停事件では調停手続内で協議をして解決することが多いでしょう。
Q 私は、亡父の療養看護に努めました。その努力は相続において報われないのでしょうか?
A 療養看護型の寄与分として相続分が増加する例もあります。
具体的には、療養看護が特別の寄与であり(無償性、継続性、専従性等の基準あり)、被相続人の財産を維持又は増加させていると判断される場合には、介護保険制度における介護報酬基準額や職業的介護サービス費用を考慮して、寄与分が認められる事例もあります。
実際には、家庭裁判所の裁量判断によって個別に判断されることが多いので事前に結果を予測することは困難です。

この記事を書いたのは:旭合同法律事務所(名古屋)

愛知県名古屋市にある法律事務所です。

旭合同法律事務所(名古屋)の記事一覧はこちら